指示のタイミング

よく、メンバーへの指示を期限ギリギリにしてくる人がいます。その人は自分では間に合わせているつもりなのでしょうが、指示を受けたメンバーが苦しい思いをしていないかは メンバーのその時の状況によります。PMは、メンバーができるだけ無理なく仕事が出来る様に、最大限の努力をするべきです。指示した仕事をメンバーが期限通りにこなしてくれる のは運が良かっただけなのです。
予定はできるだけ早めに知っておいた方が、計画を各メンバーが立てやすいものです。だから、仕事を依頼する時は担当を決めたら即するべきです。依頼内容の詳細が決まって いない時でも、即伝えます。「こんな感じの仕事をいつぐらいに依頼するからその時はお願いね」といった感じで伝えておくだけで、メンバーはそれに向けて計画を立て始めます。 こんな些細な事で、メンバーへの負担はかなり軽減するのです。
(参考:自分だけの仕事は後回し)

もう一つ注意が必要なのは、依頼した後のフォローです。期限のかなり前に指示をすると、今度はメンバーが忘れてしまう場合があるからです。期限の1ヶ月以上前に依頼した 場合は、2週間前にもう一度、1週間前にもう一度と何度か作業進捗の状況を確認すると、「忘れてました」なんて事を避ける事ができます。忘れてしまったメンバーに「以前に 指示しただろ!?」なんて叱るのは間違っています。単に、自分のフォローが出来ていないだけなのですから。メンバーの性格を把握して、声を掛けすぎない、掛け足りない状況を 作らないようにしましょう。
PMは指示をするのが仕事ではなく、仕事をメンバーにやらせ切るのが仕事です。
(2011.08.28)

素直になりましょう

相手が自分に急な要求をする時、経験の少ない者は、つい無理をしてギリギリに出来るか出来ないかの期限を答えてしまいます。以前は私もそうでした。 しかし、無理して答えてもそれ通りに完了しない事は良くあります。そんな急ぎの中でも回避できない突発的な仕事は発生しますから。

プロジェクトの計画でも同様です。PMは様々なアイディアを出した上で、出来ないものは出来ないと素直に言える様になりましょう。これが言えないうちは 半人前です。
もちろん、依頼主の為に汗をかく事はしましょう。PMが情熱を忘れてしまったらお終いです。汗をかいて精一杯、依頼主の期待に応えるのは大事です。 でも、血を出してはいけません。PM自らが出す事も、メンバーが出す事もダメです。自分も含めメンバーの体や心を守る事もPMの重要な仕事ですから。

私はPMIの月例セミナーに比較的良く参加しますが、やはりそこでも経験あるPMは皆、素直であると感じます。自分の格好悪い部分も恥ずかしがらずに さらけ出す人もいらっしゃいます。そういった姿勢に底知れぬ深さを感じます。
(2011.07.16)

プロジェクトの終わりには反省会を必ず開催しよう

全くの問題もなくプロジェクトが完了したなんて事は滅多にないものです。影響の大小含め、様々な反省すべき点があったはずです。できるだけプロジェクト・ メンバー全員で反省会を開催しましょう。
反省会では、良かった点、反省すべき点、反省点の改善案の3つについて議論します。事前に参加メンバーにこれら3点についてまとめてもらいます。
反省すべき点は、主観で個人を攻撃する表現はできるだけ避け、事実だけを記述する様にします。原因を分析する際には、トヨタの「なぜなぜ5回」は手法に 対しては有効ですが、人に対して使用すると人間性を否定してしまい、あまり良い結果を生みません。注意しましょう。
改善案は、同じ予算、同じ期間、同じメンバーである事を前提としましょう。「メンバーを追加したら成功した」は良いと思いますが、予算内で出来たか、期間は オーバーしなかったかを検証した上で改善案として有効かを検証するのが大事です。一方的な見解でなく、多面的に見つめ、薄っぺらい改善案でないものを 全員で検討し、見付けましょう。

プロジェクトによっては、問題点に対する改善策がはっきりとしない事も少なくありません。それでも、どうすれば良かったのかと振り返り、検討する時間が大切です。 この時間が、自分をより高い意識に導いてくれます。そして、どんなに辛かったプロジェクトでも、もう一度同じプロジェクトをやったらと想像しても、二度とやりたくない という気持ちになりなくくなります。

役職の上下に関係なく、自由に発表できる雰囲気作りが大事なのは明らかですね。経験の少ないメンバーからは、薄っぺらい意見が出がちですが、否定しないで 考慮が足りない部分を出しながら認めるところは認めてあげましょう。でも、経験の少ないメンバーから本質を突くするどい指摘が出る事も少なくありません。皆の 意見を真摯に受け止め、次に行うプロジェクトが同じメンバーでなくても、今回のプロジェクト・メンバー全員が次のプロジェクトに高い意識で参加もらえる様にする事が このプロジェクトの最後のタスクであると考えましょう。
(2011.07.03)

揉め事は早い段階で

プロジェクトが開始した時点で既に問題があるケースがあります。例えば、別な人が計画したスケジュールが既にあり、それに無理があるケース、確保された 予算に根拠が無く少ないケース、割り当てられた人員の能力がかなり低いケース等です。
プロジェクト・マネージャはできるだけ単純に行動する方が良い結果に繋がります。足りない場合は、足りない部分を補わなければなりません。 この場合の足りない部分を補うものとは、日数の延長または人員増加であり、追加予算または予算がオーバーする事を社内で承認してもらう事であり、 別人員の確保または割り当て済み人員への教育です。
プロジェクトが始まったばかりでこの行動に出ると、誰かしらが不満を言います。一番良くないのが、不満を言われるのを避ける為に判断と行動を先延ばし する事です。明らかな問題は先延ばししてはいけません。すぐに対処しましょう。それが相手と揉める結果になったとしてもです。後になればなる程、日程は 変更しづらくなるし、予算は確保できないし、人員を増加しても役に立たない事が多いからです。
不安に思ったら常に大騒ぎすれば良いという意味ではありません。問題にならないギリギリかその少し手前で判断をし、すぐに行動に出ましょう。その為にも、 より詳細な計画が必要なんですね。
(2011.07.02)

管理って具体的に何をする?

「管理」。
この言葉、抽象的なのに、具体的な作業みたいに使用されるケースが多いですよね。全体的な事を指しているのであれば適切だと思いますが、これを 具体的な作業と捉えている人は実は少なくありません。はっきりと言います、「管理」は具体的な作業ではありません。
具体的な作業とは、
・各フェーズに突入する○週間前には、成果物の定義が完了する様に、メンバー間の調整の為の会議を計画する
・毎日夕方にタスク管理表を確認し、本日のタスクの結果を反映し、明日以降の予定タスクについて各担当者に意識をさせる
・毎朝障害状況を確認し、調査・回答などの期限を過ぎているものがあれば各担当者に状況を聴き関係メンバーに連絡する
とか・・ 挙げていけば切りがありません。

しかし、経験の少ないPMは、この具体的な作業を挙げる事ができません。上記の様に具体的な作業内容を聞けば、「そうだ、そうだ。それは当たり前 で行う作業だ」と思うのですが、では自分で列挙できるかと言えば、中々これができないのです。知っているけど、解っていない状態。自分のものになって いない証拠ですね。

管理という適度に抽象的な言葉は、耳障りの良いものです。それ故に、その言葉で安心してしまわない様に、より具体的な作業にブレイクダウンして PMとは何をすべきなのかを常に考える様にすべきです。この考えは経験不足のPMに対してだけではありません。私はPMにはゴールがないと思っています。 よりプロジェクトを、決められたコスト内で、安定したものを、健全な状態で完成できる様に、具体的な作業として改善策を考え続けなければならないの です。
(2011.06.04)

報告のポイントを外さない

プロジェクトを管理する立場なのですから、報告ぐらいきちんと出来ると思っている方も多いですが、本当にそうですか?

進捗状況を報告する場合、報告する相手は、普段は打ち合わせに参加していないプロジェクトの責任者であったり、打ち合わせに参加している 担当者であったりします。どちらの場合でも、報告書の目的は、プロジェクトの全体がどの様になっているのかを把握してもらう事です。

・今、プロジェクトが関係している項目が何なのか?
・それらがどの様な状況か?
・問題が生じている場合は、どの様な対策を講じなければならないのか?
・今後の予定はどの様なものがあるのか?

これら全てが記述されていて、「報告書」です。特に現状報告だけで終わっているものが多く見受けられますが、聴き手、読み手は、今後の事を 知りたがっています。現状の報告は、今後の予定を考える為の元ネタ、参考情報と考える様にしましょう。

また、「問題なし」と報告する場合は、その根拠を示す事も重要です。その時点までの予定の進捗と実績の進捗を記載すれば良いでしょう。勿論、 嘘の報告は論外です。正しい報告をしてこそ、今後の対策を、報告する相手も含めて講じることができるからです。

体裁ばかり気にして、重要な本質が抜けている報告書になっていませんか? 報告書を書き終わった後に、常に自分に問いかけてみましょう。
(2011.02.12)

無理のある計画を作成しない

当たり前の話過ぎると感じますか? でも、色々な制約が入ってきた時でも、この考えを持ち続ける事ができますか?

納期が厳しいプロジェクトの場合、枠に収まる様に収まる様に考え、工数を少なく見積もりがちです。また、プロジェクトの期間中には、他の仕事の 突発的な作業も発生する等、様々なプロジェクトの進行を妨げる要因が発生します。それは、プロジェクト・マネージャーの希望に関係なく発生する のです。他の案件がどの程度発生するのか、納期に余裕がある場合はそれらを意識した計画を作成します。しかし、納期が厳しいプロジェクトの 場合、途端に他の案件の発生確率をゼロとして考えてしまっていませんか?
そんな無理した計画の元、プロジェクトが実際に始まると、やはり時間が足らなくなり、ズルズルとプロジェクトの終盤に向けてしわ寄せがきます。最後 は休日ゼロや納期が間に合わないといった状況になるというお決まりパターン。納期優先で、品質がボロボロといった事もありますね。

では、どうしたら良いのでしょうか? まずは、やり方そのものの改善をプロジェクト・メンバー全員で検討すべきです。時間が掛かっている作業は何が あるのか? 時間短縮できる方法は何があるのか? 時間短縮ができない場合は、時間を増やすか、人数を増やすしかありません。時間を増やす とは、残業や休日出勤をするという事です。休日ゼロは体調不良にも繋がりますので、最低でも一週間に一日は休むとして、一定期間だけでも 休日出勤を当たり前のものとします。人員を増やす場合は、増員が戦力になるまでの準備期間を考慮にいれましょう。増員するメンバーの能力が 低い場合は、発生する雑務や単純作業用で待機してもらうといった方法もあります。
これらを全員で考えるのがポイントで。全員で考える事で、多くのメンバーが納得するやり方となります。また、全員の決意を固める事にもなります。 その為にも、経験年数の少ないメンバーにも意見が言える雰囲気作りが重要です。
残業はある程度は続いても、多くの人は我慢ができますが、休日出勤は1ヶ月程度で収束する様にしましょう。休日出勤の期間が1ヶ月以上続く 場合は、モチベーションや生産性が低下することになり、本末転倒な結果になります。別な方法を考えましょう。

色々なアイディアを出し合ったけれども、それでも間に合わない場合があります。それは、やはり実現できないプロジェクトであったという事です。 大事なのは、多少は無理をするし、多少は余裕を持った計画を作成するという事。そして、それをプロジェクト・メンバー全員が理解し、意識をする 事です。
(2011.01.30)